ジンギスカンは札幌を中心に、北海道でよく食べられている、羊肉を使った料理です。通常の鉄板焼とは違い、まるで帽子のようなかたちをした、スリットの入ったドーム状の、独特のかたちの鍋を熱し、その上に羊肉を並べ、野菜とともに焼いて食べます。野菜の水分や羊肉の脂分は鍋の縁に落ちるようになっています。そのため、とてもさっぱりと食べることが出来ます。
札幌では一般的に、ジンギスカンの羊肉は、噛みごたえのあるマトンを使います。牛肉にも引けを取らないやわらかさが特徴のラムとは違い、噛めば噛むほど味わいが出てくるような、しっかりとした食べごたえがあり、風味が豊かで脂分もほどよいのが特徴です。そして、食べるときに甘辛い味のタレをつけて食べるか、タレを絡めたマトンを焼いて食べます。
ジンギスカンは札幌を始め、北海道ではポピュラーな食べ物ですが、北海道とは違い、日本の他の地域では、ラムやマトンなどの羊肉を食べる習慣があまりないため、ジンギスカンは全国に広まるには至っていません。札幌に行くならぜひ楽しみたい食のひとつだといえるでしょう。
ラムとマトンの違い
札幌でおなじみのジンギスカンに使われているのは、他の地域の一般の鉄板焼とは違い、羊肉が使われています。牛肉や豚肉の焼肉とは一味違った味わいが楽しめますが、羊肉の中でもラムとマトンはどんな違いがあるのでしょうか。
ラムとマトンは羊の種類に違いがあるのではありません。食用の羊として生まれて、1年未満のものをラムと呼び、2年以上のものをマトンと呼びます。ラムはまだ仔羊で、札幌だけでなく、世界的にも西洋料理を始めとした高級料理に多く使われて、好まれている貴重な羊肉です。
ラムについて
他の地域とは違い、札幌ではあまりジンギスカンに使われることのないラムですが、マトンと違い風味は弱くなるものの、牛肉や豚肉などと比べても肉質がやわらかいのが特徴で、栄養的にもコレステロールが低く、ビタミンなどが豊富です。ラムは、脂肪の燃焼を助けると言われる、カルニチンを多く含むことから、近年女性を中心に人気になっている肉でもあります。
ジンギスカンに使うマトンとは
札幌をはじめとし、北海道で食べるジンギスカンに使うマトンは、やわらかさが特徴になるラムとは少し違い、しっかりとした噛みごたえがあり、脂ののりもほどよい状態で、牧草の風味が感じられるのが特徴です。
輸入ものの低品質なイメージが根付いていることから、マトンにはあまり良い印象のある人が少なくないかもしれませんが、厳選したマトンは風味がよく、秘伝のタレで食べれば、その風味が札幌のジンギスカンにぴったりくることを、食べると感じることができる肉ではないでしょうか。
札幌のジンギスカンに使われるマトンは、ラムとは違い、深い味わいを持っています。また、脂肪の燃焼を助けると言われている、カルニチンの含有量もずば抜けて多いのが特徴です。他の地域で食べるラムのジンギスカンとの違いを、ぜひ実際に体験してみて下さい。
マトンなのにクセがあまりないのはなぜ?
札幌をはじめとした北海道で、ジンギスカンを食べると、使われているマトンがやわらかくクセがないことに、驚く人も多いのではないかと思います。ラムとは違い、しっかりとした噛みごたえがあるのに、同じようなやわらかさと食べやすさを感じるのは、ひとえにマトンが新鮮だからかもしれません。
札幌のジンギスカンに使われているマトンは、北海道産であることが多く、輸入の低品質なものと違い、硬くてクセのあるものではないことが多いのです。その中でも新鮮な生のマトンを提供しているお店は、札幌でも多くはないのですが、その肉の美味しさから人気店になることが多いといえます。
冷凍の肉とは違い、まるでラムのようなしっとりとやわらかい食感と、マトンだからこその噛みごたえや、牧草のような深い風味は、生だからこそ感じられる味わいです。そんなマトンだからこそ、甘辛い秘伝のタレを使ったジンギスカンによく合うのです。
ジンギスカンを食べるなら、厳選したマトンを扱うお店で
ひとくちに札幌のジンギスカンといっても、さまざまなタイプのお店があり、扱っている羊肉もピンからキリまであると言えます。本来の札幌のジンギスカンのおいしさを楽しむのなら、厳選したマトンを使ったジンギスカンが味わえるお店を選ぶのがポイントだといえるでしょう。
マトンはラムとは違い、しっかりとした噛みごたえがあり、風味豊かで味わい深く、ジンギスカンに使われる他の野菜などの味わいをさらに増してくれるものです。また、そうした味わいが、秘伝のタレによく合い、食欲をそそってくれます。
ラムを使った他の地域のジンギスカンでは味わえない、札幌ならではのジンギスカンの味わいの違いを、どうぞお楽しみ下さい。ラムとは違った、豊かな味や香りをご堪能いただけるものと思います。
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